少し前に、SABOTENのファンクラブ「SABOMEN」の配信をしていました。
その中で、テーマを決めるスロットみたいなものがありまして、そこに出てきた言葉が、
「人生で一番幸せだった瞬間は何ですか?」
というものでした。
なかなか大きいテーマやなあと思いました。笑
人生で一番幸せだった瞬間。
そう聞かれると、すぐにひとつだけを選ぶのは難しいです。
家族のこと。
日々の暮らしの中で感じること。
音楽を通して出会えた人たちのこと。
今もこうしてSABOTENを続けられていること。
幸せやなと思える瞬間は、きっと数えきれないくらいあります。
SABOTENの活動だけで考えても、たくさんあります。
ツアー中の車内で、何でもない景色を眺めている時。
ライブハウスで仲間のバンドマンやスタッフさんと話している時。
初めての街に行って、その街の空気に触れた時。
ライブが終わったあと、来てくれた人の顔を見た時。
そういう一つひとつの時間も、僕にとってはちゃんと幸せです。
でも、改めて「バンド人生で味わったことのない幸せを感じた瞬間」として思い出すと、真っ先に浮かぶ景色があります。
それは、SABOTENが初めてワンマンライブをした日です。
ワンマンライブを避けていた頃
記憶では、2008年か2009年頃だったと思います。
SABOTEN結成10周年あたりのタイミングでした。
場所は、大阪・十三にあった頃のFANDANGO。
今でこそワンマンライブをやることもありますが、それまでの僕は、正直あまりワンマンライブをやりたいタイプではありませんでした。
対バンがいるからこそ燃える。
楽屋も楽しい。
いろんなバンドのお客さんが混ざって、そこで化学反応が起きる。
僕はずっと、それこそがライブハウスの醍醐味やと思っていました。
まだSABOTENを知らない人に、音楽を届けられるかもしれない。
好きなバンドと一緒にやることで、自分たちももっと熱くなれる。
バンド同士の空気や、お客さん同士の空気が混ざって、その日だけの景色が生まれる。
そういう対バンイベントの感じが、僕は大好きでした。
だからワンマンライブというものを、どこか避けていたところがありました。
SABOTENだけで一晩を作る。
それは嬉しいことのはずなのに、どこか怖さもありました。
ほんまに集まってくれるんかな。
最後まで自分たちだけで持っていけるんかな。
対バンがいない中で、SABOTENだけを見に来てくれる人がどれくらいいるんやろう。
そんな気持ちも、きっとあったんだと思います。
でも、結成10周年という節目もあって、
「一度ワンマンライブをやってみよう」
という流れになりました。
もちろん、頭の中ではイメージしていました。
でも、実際に当日を迎えてみると、想像していたものとは全然違いました。
みんな、SABOTENのために来てくれた
会場に入ると、フロアが賑わっていました。
物販に人が並んでいて、SABOTENのグッズを手に取ってくれている。
開演前から、会場の中にあたたかい熱がある。
関係者の方々も来てくれている。
十三FANDANGOには、上からフロアを見られるような場所がありました。
そこから会場を眺めた時に、ふと思ったんです。
今ここにいるお客さんは、みんなSABOTENのことを知ってくれている。
みんな、SABOTENのためにチケットを買ってくれた。
みんな、SABOTENのために時間を使ってくれた。
みんな、この日のためにここへ集まってくれた。
関係者の方々も、お忙しい中、SABOTENのために来てくれている。
その時に、心の中で思いました。
みんな、俺らの味方なんや。
あの瞬間のことは、今でも忘れられません。
胸の奥が、ぶわっと熱くなりました。
それまでにも、たくさん嬉しいライブはありました。
たくさんのお客さんが集まってくれた日もありました。
良いイベントも、忘れられない夜も、いっぱいありました。
でも、あの日の感覚は少し違いました。
自分たちのために、誰かが時間を使ってくれている。
自分たちの音楽を聴くために、そこへ集まってくれている。
SABOTENというバンドを信じて、その場所に来てくれている。
その事実が、ものすごく大きかったんです。
売れるとか、売れないとか。
大きいとか、小さいとか。
動員がどうとか、数字がどうとか。
もちろん、それも大事です。
バンドを続けていく以上、目をそらしてはいけない現実もあります。
でもその前に、目の前にいる人たちが、SABOTENを信じて集まってくれている。
そのことが、ただただ嬉しかった。
ああ、こんな幸せがあるんや。
僕はその時、バンド人生で味わったことのない幸せを感じました。
これがワンマンなんや
そして、ライブが始まりました。
SEが流れて、ステージに登場して、歓声が上がる。
1曲目は「BUBBLY’S part.1」でした。
その瞬間、フロアの熱が一気にステージへ押し寄せてきました。
当時のFANDANGOは、今ほどステージが高いわけではありませんでした。
チケットもソールドアウトしていて、フロアはパンパンでした。
お客さんの波が、ガーッと前に来る。
前の方では、人が倒れ込むような勢いもある。
でも、誰ひとり嫌な顔をしていない。
むしろ、会場全体が、
「今日のSABOTEN、1曲目からめちゃくちゃ盛り上がってるやん!」
そんな空気になっていました。
あの瞬間、鳥肌が立ちました。
これがワンマンなんや。
そう思いました。
対バンイベントには、対バンイベントにしかない良さがあります。
いろんなバンドがいて、いろんなお客さんがいて、そこで混ざり合う面白さがある。
知らなかった音楽と出会える。
ライブハウス全体がひとつの生き物みたいに、その日だけの空気を作っていく。
それは今でも大好きです。
でもワンマンには、ワンマンにしかない幸せがありました。
最初から最後まで、SABOTENのために集まってくれている人たちと、一緒に時間を作っていく。
自分たちの曲だけで、その夜を作っていく。
その一曲一曲に、これまでの時間が重なっていく。
そこには、特別な安心感がありました。
そして同時に、特別な覚悟もありました。
逃げ場がないからこそ、全部を届けるしかない。
SABOTENというバンドの全部で、その夜に向き合うしかない。
でも、その場所には味方がいてくれた。
それが、ほんまに幸せでした。
続けてきたから、またあの場所へ向かえる
あの初めてのワンマンから、たくさんの時間が経ちました。
楽しいこともありました。
悔しいこともありました。
思い通りにいったことも、いかなかったこともありました。
バンドを続けるというのは、綺麗なことばかりではありません。
年齢を重ねるほど、背負うものも増えます。
生活もあります。
家族もあります。
仕事もあります。
心も体も、昔と同じようにはいかない日があります。
それでも、SABOTENは今も続いています。
これは当たり前のことではないと思っています。
メンバーがいて、スタッフさんがいて、ライブハウスがあって、仲間のバンドがいて、そして何より、聴いてくれる人がいる。
その全部があって、今もSABOTENは鳴っています。
僕は今も、ステージに立って歌を届けたいです。
SABOTENの音楽で、誰かの心に少しでも寄り添いたい。
しんどい時に、少しだけ背中を押せるような音でありたい。
嬉しい時に、一緒に笑えるような音でありたい。
どうしようもない夜に、近くに少し座れるような曲でありたい。
SABOTENの音楽が、誰かの心の栄養になれたら嬉しい。
ほんまに、そう思っています🌵
6月27日、SABOTENはワンマンライブをします
そして今、SABOTENは久しぶりにワンマンライブをやります。
2026年6月27日(土)。
大阪・心斎橋Live House Pangea。
SABOTEN「Dessert in Desert」TOUR。
ツアー初日のワンマンライブです。
OPEN 17:30。
START 18:00。
この日は、ただのツアー初日ではありません。
今のSABOTENが、今のSABOTENとして立つ大切な日です。
『Dessert in Desert』という作品には、今の僕らの覚悟が詰まっています。
今の僕らが鳴らしたい音。
今の僕らが届けたい言葉。
今の僕らが、それでも続けていく理由。
その始まりの日を、ワンマンライブで迎えます。
だからこそ、ひとりでも多くの方に来てほしいです。
あの日、十三FANDANGOで感じた、
「みんな、俺らの味方なんや」
というあの幸福感。
それを、もう一度感じたいです。
でも、ただ昔の思い出をなぞりたいわけではありません。
今のSABOTENで。
今、集まってくれるみんなと。
今しか作れない新しい景色を作りたいです。
あの頃の僕らには鳴らせなかった音があります。
あの頃の僕らには歌えなかった言葉があります。
ここまで続けてきたからこそ、届けられるものがあります。
6月27日。
心斎橋Live House Pangea。
この日を、最高のツアー初日にしたいです。
これは僕らの願望です。
夢です。
そして、この夢は僕らだけでは叶えられません。
来てくれるあなたがいて、初めてワンマンライブになります。
その場所に集まってくれる一人ひとりがいて、初めてその夜の景色が完成します。
SABOTENのために、時間を使ってもらえたら嬉しいです。
その時間を、絶対に大切にします。
バンド人生で味わったことのない幸せを感じたあの日から、時間はたくさん流れました。
でも、まだ見たい景色があります。
まだ鳴らしたい音があります。
まだ届けたい言葉があります。
6月27日、心斎橋Live House Pangea。
SABOTENワンマンライブ。
一緒に、最高の夜を作りましょう!
お待ちしています🌵

